四国災害アーカイブスについて

 四国は自然災害が発生しやすい特性を有しており、四国に住む人々は過去の災害から様々なことを学んできました。災害による被害を減らすためには、社会資本整備を進めるなどハード面から対策を講じる一方で、過去の災害から学んだことを活かして、人々が被害を軽減するためのソフト面の取り組みを進めることが重要です。

 しかし、今日、地域の人と人のつながりが薄れ、過去の災害の教訓などを伝えにくい状況が生まれてきています。また、過去の災害に関する資料が保存、継承されていない、あるいは貴重な資料が十分に活用されていない状況も見受けられます。

 このため、(一社)四国クリエイト協会では「四国災害アーカイブス事業検討委員会」(委員長:村上仁士徳島大学名誉教授)の指導のもと、過去に四国各地で発生した災害に関する情報を収集、整理し、できるだけ多くの人々に活用していただけるようインターネットにより情報を提供する「四国災害アーカイブス」を作成してまいりました。資料の収集にあたりましては、四国管内の公立図書館をはじめ国、県、市町村などの皆さまにもご協力をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 四国災害アーカイブスは、平成24年7月に部分的運用として地震・津波の情報提供を開始し、平成25年7月には第二弾として土砂災害、渇水の情報も提供し、平成26年4月からはすべての災害種類を提供する本格的な運用を行ってきました。運用開始以来、四国災害アーカイブスは多くの人に利用され、おかげさまで平成27年8月には(公社)土木学会建設マネジメント委員会より「グッド・プラクティス賞」を授与されました。これからも四国災害アーカイブスをさらに充実させて、四国の地域防災力の向上のために一層努力してまいりたいと考えています。

 

 平成28年3月

一般社団法人 四国クリエイト協会
理事長  福田 昌史